313号:海の話
漁業の町「勝本浦」の漁師の話。先月は、一度もオモテ綱(舳先にある係留の綱)を取ったことがないという。漁業で生計を立てる漁師が、先月は一度も漁に出なかったということ。理由は風雨、月夜、沖止め等があるが、これまでに獲った魚が少なくなったこともあるらしい。全国的なことだが、漁業は大変な状況にある。漁獲量の減少、高齢化と後継者不足等、厳しい現実が忍び寄っているが、新たな対応策は聞こえてこないことも不安。そういう中に、テレビで長崎の漁業組合長が、海に藻が無くなった。色々と工夫しているが、良策がないので教えてほしいと言っていた。これも全国的な問題と思うが、勝本浦を見ると小さいころ遊んだ藻場は海岸の埋め立てで消滅。藻が育つ海の環境悪化が原因でなく、藻が育つ所がなくなったと言える。地球温暖化が主原因ともいうが、いずれも人間が作りだした産物。生活の利便性との引き換えが元の原因かも。この先この町はどうなるのだろう。考えると何とも言えない気分です。