356号:勝本浦の秋祭り

勝本浦は、10月10日から14日が聖母宮の祭、15日に港祭りと秋の祭りが続いた。聖母宮は、勝本浦と在部の可須地区の氏神で、その規模は最大で祭典も盛大かつ華やかと言われてきた。私が小さい頃は、10日は聖母宮からお仮堂までの神輿のお船旅(御遷幸)、12日はお仮堂の前で芝居、14日を特に大祭といい、2隻の船による船競漕(フナゴロ)があり、終わるとお仮堂から陸路を通り聖母宮へ御還幸、暗くなってから馬石前で芝居があった。そして、15日は港祭りと言って午前は漁船による海上パレード(写真)、午後は小学生による鼓笛隊や仮装行列と賑わった。しかし、人口減少及び少子高齢化等の中で、芝居が無くなるなど祭り行事は縮小傾向にある。江戸時代の話ですが、聖母宮の祭神は神功皇后、対岸の元浦の印鑰神社の祭神は神功皇后の相方の仲哀天皇ということから、御遷幸の神輿は印鑰神社の下の浜の小屋に御泊めした。聖母宮の祭りは、年に一回妻が夫の所へ通うという素敵な物語も秘めているのです。

2023年10月18日