257号:高齢者のたまり場

一日の時々に裏の物見台から眼下を望む。すると外海を埋め立てできた船着き場と公園(写真)がある。その一角(左側のゲートボール場の物置小屋)に、高齢者が集い語らうのを見るようになった。夏は日陰のある場所(中央の子供プールと右奥の魚集荷場)、冬になると日当たりがよく風を遮る小屋へとたまり場が移動する。そこに同級生も見えたのでコマ(小学生の昔遊び用具)を持って訪ね、授業への参加を話しかけた。が、まずはコマの軸が上手に削られてないとの指摘。同窓の一人が持ち帰りきれいに削ってくれた。他の一人(魚加工業)は、研ぎあげた包丁を見せてくれた。ハサミや包丁の研ぎ方に話が移るなか、私の刺身包丁と出刃包丁も先の仲間が持ち帰り研いでくれた。片刃と諸刃では研ぎ方が違うとのこと。専門分野を極めた高齢者の集まりは、よき生活相談の場にもなっている。小さい頃には、漁師のワッカシ(若者)が宿泊を共にして活動する若衆宿があった。その頃を知る今の高齢者は、自らよき場所を見つけ仲間との情報共有や課題解決の場としている。勝本浦を歩くと、それらしい場をみかけることができる。

2021年11月17日