236号:水無月(六月)

壱岐は海に囲まれた島である。高い山はなくなだらかな小山と平地が続く丘陵に、六月は緑が映えて美しさが際立つ。また、世の中を騒がすコロナは、壱岐は感染ゼロが続き生活はいつもと変わらぬ状態にある。だが、外に目を向けるとびっくりするニュースがある。開催を控えた東京五輪動向。コロナのインド型感染急増、ミャンマー軍部クーデター、中国一帯一路による債務の罠など等。そのような中、壱岐は突然に市長リコールが起きたが不成立、今は市の財政問題などが騒がれている。が、それより深刻と思うのは、島の緑の美しさの中に潜む問題(自然管理)のように思う。車で外に出たときに感じることだが、急傾斜の白いコンクリートが草木に覆われつつあること。国道や市道で側面の木々が道路を覆う緑のトンネル、耕作放棄地や管理不行き届きの山の草木の大繁殖。美しい緑は島の誇りといえるが、人による管理力が自然の草木の成長に負かされる時が近づいている。近い未来に来てしまいかねないと按じている。自宅庭の草木の管理に忙しい男より。写真は、国道382号線。

2021年06月23日